東京高等裁判所 昭和59年(ラ)154号 決定
関係記録によれば、本件各配当等事件については、債権者が抗告人一人だけなので、法規上、配当を実施すべき場合には該当せず、抗告人主張の「配当期日」は、正確には民事執行法一六六条二項、八四条二項、同規則一四五条、五九条一項に基づく「弁済金の交付の日」として定められたものであることが認められるところ、右交付の日に出頭するための旅費、日当は、民事執行法四二条一項により債務者の負担とされる執行費用にはあたらないものというべきである。けだし、弁済金の交付の日に債権者が出頭することは執行手続の遂行上不可欠のものではなく、その日に出頭しないことにより債権者が法律上何らかの不利益を被るおそれがあるわけのものでもないので、右出頭のための旅費、日当は「強制執行の費用で(真に)必要なもの」(民事執行法四二条一項)にあたらないと解されるうえ、それらは執行費用の範囲及び額を具体的に限定列記して定める民事訴訟費用等に関する法律二条各号のいずれにも該当しない(ちなみに、同条四号にいう「裁判所が定めた期日」とは、手続法規において「期日」として規定されているもので、裁判所が指定するものを指称し、「弁済金の交付の日」はこれにあたらない。)からである。
(後藤 奥平 尾方)